2022/04/08(金)
空き家売却では確定申告が必要?詳しく解説します!
「使っていない空き家を売却したいが、確定申告をしなければいけないのだろうか」
「確定申告とは何なのか、よく分からない」
空き家の売却を検討中で、このようにお考えの方は少なくないのではないでしょうか。
今回は、そういった方に向けて、空き家売却における確定申告について詳しく解説します。
ぜひご参考ください。
□そもそも確定申告とは?
空き家売却の確定申告についてお悩みの方の中には、「そもそも確定申告が何なのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
そこでまずは、そもそも確定申告が何なのかを紹介します。
確定申告を簡単に表すと、何らかの「もうけ」に対して発生する税金を計算して清算する作業です。
ここで言う「もうけ」は「所得」と呼ばれ、所得は以下の10種類に分類されます。
・利子所得
・配当所得
・事業所得
・不動産所得
・給与所得
・退職所得
・譲渡所得
・山林所得
・一時所得
・雑所得
これらの所得を得た場合、それに対して税金を支払うのがルールとして定められています。
そこで、1年間で得た所得を計算し、そこから支払う税金を算出し、それを申告・納税する必要が出てくるのです。
□空き家売却で確定申告が必要なケースとは?
空き家を売却した際、すべてのケースで確定申告が必要になるわけではありません。
確定申告が必要になるのは、売却によって利益が発生した場合です。
すなわち、売却時の金額が購入時の金額と売却にかかった費用を上回っていれば確定申告が必要になるのです。
売却益が出た場合に発生する税金を譲渡所得税と呼びます。
この税金は、所得税と住民税に上乗せして課せられる税金で、以下の式で算出できます。
譲渡所得税=税率×{譲渡価格-(取得費+売却費用)}
取得費は空き家の購入にかかった費用、譲渡価格は売却した際の金額を指します。
また、取得費は購入から経過した年数を考慮し、減価償却されます。
税率は、空き家を所有していた年数によって変化します。
所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年を超える場合は「長期譲渡所得」となります。
短期譲渡所得の場合は所得税が30%、住民税が15%となります。
長期譲渡所得の場合は所得税が15%、住民税が30%となります。
この税率に基づいて、空き家を売った翌年の2月16日から3月15日までに管轄の税務署で確定申告を行います。
また、空き家売却で確定申告が必要になるケースとしてはもう1つが挙げられます。
それは、売却によって損失が発生し、損失額の分だけ所得税の控除を受ける場合です。
売却によって利益ではなく損失が発生した場合、条件を満たしていれば「損益通算」を行い、その他の所得の相殺して所得税を減額できます。
損益通算の手続きには還付申告が必要になるため、確定申告が必要になるのです。
還付申告とは、税金を払い戻しするための確定申告です。
損益通算では、その年の所得で相殺できない場合があります。
その場合は、ある条件を満たしていれば、譲渡の年の翌年以降、最長3年間損失を繰り越して控除する「繰越控除」の申請ができます。
詳しい条件などに関して気になる方はぜひ調べてみてください。
□特例を利用するためにも確定申告は必要です!
空き家の売却では、3つの特例を利用することによって税金対策ができます。
その3つの特例は、以下の通りです。
・3000万円特別控除
・所有期間10年超の軽減税率特例
・相続した空き家に対する特例
これらの特例を利用するためには、確定申告を行っていることが1つの条件となります。
税金で損をしないためにも、確定申告は欠かせません。
□確定申告をしないとどうなる?
確定申告をしなかった場合、さまざまなペナルティを受けることになります。
例えば、税務署が調査に来ることがあります。
不動産取引のおいて大きな金額が動いた場合は、税務署にチェックされる可能性が高くなります。
大きな取引があったにもかかわらず、確定申告が行われていないと無申告の疑いをかけられ、調査の対象となります。
調査によって不動産売却で利益が出たにも関わらず申告をしていなかったことが明らかになると、税務署によって厳格に納税額を決定されます。
厳格な基準によって決定された納税額は、自分で申告する場合に比べて税額が大きくなっている可能性があります。
また、その他のペナルティも課されるため、適切に申告していた場合の何倍、何十倍もの金額を支払わなければならなくなるおそれがあります。
他にもさまざまなペナルティを受けることになるため、確定申告は必ず忘れずに行うようにしましょう。
□まとめ
今回は、空き家売却における確定申告について、申告が必要なケースや特例を利用するための確定申告の必要性について解説しました。
確定申告は理解が難しい部分もありますが、間違いや後悔を防ぐためにもできる限り理解しておきましょう。
浜松市周辺で空き家の売却をお考えの方はお気軽にご相談ください。