2023/09/20(水)
相続登記はいつまでに行う必要がある?相続手続きに関して解説します!
相続が発生した際、行わなければならない手続きには様々なものがあります。
その中でも、期限があるものやないものといったように、それぞれの手続きによって期限や必要書類などが異なります。
例えば、相続登記に期限はありませんが、相続放棄にはあります。
今回は、相続に関して、手続きに期限があるものとないものそれぞれの内容、期限が過ぎてしまった際のリスクなどについて解説します。
□相続手続きはいつまで?期限のある相続手続き
相続手続きのうち、期限があるものは以下のとおりです。
・相続放棄
相続放棄は、相続人が相続することを放棄する手続きです。
相続人が相続放棄をする場合、相続開始から3ヶ月以内に行う必要があります。
・限定承認
限定承認は、相続人が相続することを一部だけ承認する手続きです。
限定承認をする場合は、相続開始から3ヶ月以内に手続きを行う必要があります。
・準確定申告
準確定申告は、被相続人の代わりに所得税の確定申告をする手続きです。
準確定申告をする場合、相続開始から4ヶ月以内に行う必要があります。
・相続税の申告と納付
相続税は、相続人が相続財産に対して支払う税金です。
こちらは、相続開始から10ヶ月以内に行う必要があります。
期限を過ぎると、申告や納付ができなくなり、遅延損害金が発生する場合があります。
・遺留分侵害額の請求
遺留分は、相続人が受け取ることができる一定の財産の割合です。
遺留分侵害額とは、遺留分が侵害された場合に請求できる損害賠償額のことです。
遺留分侵害額の請求は、侵害を知ってから1年以内、相続開始から10年以内に行う必要があります。
・保険金の請求
相続人が、亡くなった人が加入していた保険から保険金を受け取る場合には、保険金の請求手続きが必要です。
期限は通常3年以内ですが、保険会社によって異なります。
・相続税の還付請求
相続税の還付請求は、相続人が支払った相続税が多かった場合に、差額を返金してもらう手続きです。
相続税の還付請求の期限は通常5年10ヶ月となっています。
□期限のない遺産相続手続きは?
期限のない相続手続きとしては、以下のものが挙げられます。
・預貯金
預貯金については、口座にお金が残っている限り、相続手続きは期限がなくなります。
預貯金に関しての手続きは、銀行で口座を解約し、現金を受け取る方法と名義変更を行って相続人の口座にする方法があります。
・株式
株式については、所有者が変わらない限り、期限がありません。
株式の相続手続きとしては、名義変更を行ったのちに売却する方法と、そのまま保有し続ける方法があります。
・不動産登記
相続手続きに関する不動産登記は、期限がないため、いつでも行えます。
しかし、不動産登記には、手続きに必要な書類が多く、手続きに時間がかかる場合があるので、早めの手続きが望ましいです。
・自動車の名義変更
自動車の名義変更にも、期限はありません。
ただし、自動車によっては、車検や自動車税の納付など、定期的な手続きが必要な場合があるので、注意が必要です。
□遺産相続手続きの期限が過ぎた場合はどうなる?
以下より、相続手続きが遅れてしまったケースについて、2つの例をご紹介します。
*相続放棄が遅れてしまった
相続放棄の期限を過ぎてしまった場合は、相続放棄が認められず、通常通りの単純承認を行う必要があります。
しかし、原則期限が遅れた後の相続放棄は認められませんが、場合によっては期限を過ぎていても認められることがあります。
例として、相続放棄の期限が過ぎた後に負債の存在を知ったケースなどが挙げられます。
こういった場合は、弁護士に相談してみると期限切れ後の相続放棄が可能になる場合があるため、相談してみましょう。
*相続税の確定申告が遅れてしまった
相続税の確定申告は、被相続人の死亡から1年以内に行う必要があります。
期限を過ぎた場合、遅延損害金を支払わなければなりません。
また、相続税の評価額が過小申告された場合、追徴課税の対象となります。
そのため、期限内に相続税の確定申告を行うことが望ましいです。
これらは、相続人にとって大きな負担となるため、期限内に相続税の確定申告を行うことが大切です。
□まとめ
今回は、相続に関して、期限のある手続きやない手続きとそれぞれの内容、期限が切れた際のリスクなどについて解説しました。
期限がある手続きに関しては、期限が切れた際にペナルティがあったり、手続きが行えなくなったりとリスクがあります。
また、期限がない手続きに関しても、先延ばしにすることで手続きが複雑になったり、様々なリスクが生まれたりする可能性もあるため、早めに手続きを行うことが大切です。
相続手続きには様々な種類がありますが、順番に行っていき、一つずつ確実に済ませていくことが大切です。
本記事を参考に、相続手続きをスムーズに進めていただけると幸いです。
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