2023/12/20(水)
生前贈与の加算対象期間が7年になるのはいつから?基礎知識と対策をご紹介!
節税対策に関心のある資産所有者にとって、相続税の負担軽減は切実な問題です。
2023年の税制改正により、生前贈与の加算対象期間が7年に変わりました。
これは、従来の相続税対策に大きな変化をもたらすものであり、その影響は深刻です。
この記事では、改正された生前贈与のルールとその最適な活用法を紹介します。
□生前贈与の加算対象期間が7年になるのはいつから?内容と合わせてご紹介!
2023年の税制改正は、特に相続税に関する生前贈与の加算対象期間の延長を中心としたもので、これにより多くの資産所有者に影響を及ぼします。
ここでは、この重要な改正の具体的な内容とその意味についてご紹介します。
*改正の時期と基本的な変更点
この改正は、2023年の税制改正として導入されました。
内容としては、相続開始前7年以内の生前贈与が、2024年1月1日の贈与から相続税の計算における加算対象となることに変更されました。
これは、従来の3年以内という期間から大幅に延長されたもので、これまでの節税対策を見直す必要性を示唆しています。
*改正の詳細内容
この改正により、贈与のうち相続開始の4年以上前に関しては、贈与の総額から100万円を控除した額が加算されます。
これにより、相続財産がこれまでよりも多く見積もられることになり、相続税の増加が見込まれます。
*改正の背景と意図
この税制改正の背景には、相続税と贈与税の一体化を目指す政策的な動向があります。
従来、贈与税と相続税は別々に扱われていましたが、生前贈与による相続税逃れを防ぐため、これらの税制をより一体化する動きが強まっているのです。
この改正は、従来の相続税対策に大きな影響を与えます。
生前贈与を活用した節税戦略を立てていた方々は、新たな対策を検討する必要があります。
特に、相続税の対象となる期間が延長されたことで、より緻密な計画が求められるようになりました。
□加算対象期間が7年になるとどんな影響があるの?
加算対象期間が3年から7年に延長されることで、相続財産に加算される贈与財産が大幅に増えます。
これにより、相続財産の総額が増え、結果的に相続税の負担が増大するのです。
これは、特に大きな資産を持つ方々にとっては重要な変更であり、従来の贈与戦略を見直すきっかけとなります。
例えば、被相続人が毎年100万円の贈与を行っていた場合、従来は3年分の300万円が加算対象でしたが、改正後は7年分の700万円(100万円の控除後は600万円)が加算されるのです。
この変更により、相続税の総額が顕著に増加します。
このような計算例を通して、改正の影響を理解することが重要ですよ。
また、以下に記載する相続税の速算表を用いることで、改正後の相続税額を具体的に把握できます。
ここでは、法定相続分に応ずる取得金額と税率について記載いたします。
・1,000万円以下の場合10%
・3,000万円以下の場合15%
・5,000万円以下の場合20%
・1億円以下の場合30%
・2億円以下の場合40%
・3億円以下の場合45%
・6億円以下の場合50%
・6億円以上の場合55%
□増税の対策をご紹介!
生前贈与の加算対象期間が3年から7年に延長されたことにより、相続税の負担が増える可能性が高まりました。
しかし、この増税を抑制するための方法が存在します。
ここでは、増税を抑えるための具体的な方法とその注意点について解説します。
1.孫への贈与を活用する
生前贈与加算の対象は、相続又は遺贈により財産を取得する方です。
相続人ではない孫への贈与は、生前贈与加算の対象になりません。
このため、相続人でない孫への贈与は、増税対策の一環として有効です。
ただし、この方法にはいくつかの注意点があり、特に代襲相続や遺言による財産取得の可能性には留意する必要があります。
2.相続時精算課税制度の活用
相続時精算課税制度の見直しにより、この制度の活用が新たな対策として注目されています。
税制改正により、毎年110万円以内の贈与については生前贈与加算の対象外となるため、この制度を利用することで生前贈与を有効に活用できる可能性があります。
3.その他の非課税措置の活用
贈与税の非課税措置を活用することも、増税対策の一つです。
特に、教育資金や住宅取得資金に関する一括贈与の非課税措置は、節税戦略の中で重要な役割を果たします。
4.贈与をしないのも選択肢の一つ
時には、生前贈与を行わないという選択が最善の策となることもあります。
特に、相続税の軽減措置を活用できる場合、生前贈与を行うことが必ずしも有利ではない場合があります。
□まとめ
今回の記事では、2023年の税制改正による生前贈与の加算対象期間の延長と、その影響についてご紹介しました。
この改正は、加算期間が4年延長し7年になり、実質的に相続税増税となる可能性が高いものです。
増税への対策として、孫への贈与、相続時精算課税制度の活用、その他の非課税措置の利用、そして場合によっては贈与を行わない選択があります。
これらの対策を理解し、適切に活用することが、改正後の相続税対策の鍵となります。
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