2020/09/18(金)
共有名義の不動産の所有者の方必見!固定資産税の支払いについて
共有名義の不動産を所有している、または所有する予定がある方はいらっしゃいませんか。
不動産を所有するためには、固定資産税という税金を支払う必要があります。
単独名義であれば気にする必要はありませんが、所有者が複数人いる共有名義では注意点があります。
そこで今回は、固定資産税の支払いについてご紹介します。
□代表の決め方とは?
共有名義の不動産を所有してる場合、各自治体から固定資産税の代表者を知らせてくださいという通知が届きます。
ここでいう代表者とは、自治体が行う質問や調査に対する電話対応をしたり、実際に税金を納付したりする人のことを指します。
また、固定資産税の納付書の送り先も代表者の住所です。
しかし、納税義務が課せられているのは共有者全員であるため、1人1人に調査や質問をするべきなのではないかと思った方がいらっしゃるかもしれません。
もちろんそうではあるのですが、自治体が1人1人に質問や調査を行うと手間がかかってしまうでしょう。
たとえ質問や調査をしたとしても、各々の言い分が違ってくると収拾がつかなくなってしまいます。
このような手間やトラブルを避けるために、共有者の中から代表者を決めてもらい、原則は代表者のみと話し合いをすることになっています。
では、代表者は他にどのようなことをするのでしょうか。
代表者は年に4回の固定資産税の支払いに間に合うように、共有者全体から持分に応じた税金を徴収する必要があります。
共有者全員が近所に住んでいれば問題ないですが、遠方に住んでいる人がいる場合はものすごく手間がかかってしまうでしょう。
また、期日通りに支払いをしてくれない共有者がいる場合も大変です。
このように代表者になってしまうと、手間のかかることをする必要が生じます。
では、代表者はどのように選出されるのでしょうか。
その不動産に住んでいる人が代表になることが、一般的だと言われています。
そうすれば、住んでいる人が家賃から固定資産税を差し引いて支払えば良いため、金銭のやり取りが複雑にならないからです。
しかしその不動産に誰も住んでいない場合は、持分が高い人が代表になる可能性が高いです。
□支払いを滞納した時はどうなる?
もし自分が代表となったケースで固定資産税の支払いを滞納してしまった場合は、どうなってしまうのでしょうか。
代表者が支払いを滞納した場合、代表者だけでなく他の共有者にも責任が及んでしまいます。
共有者の1人が滞納してしまうだけで、他の共有者の財産が差し押さえられる可能性もあります。
自治体からの催促があるにも関わらず、それを無視して放置していると他の人にも迷惑がかかるため注意しましょう。
「納期限から20日以内に催促状を発する必要がある」と条例によって定められているため、滞納があった場合は催促状が必ず届きます。
もし催促を無視したとしも、すぐに差し押さえが行われるわけではありません。
複数回の催促をしても何も対応をしなければ、いよいよ差し押さえられるという流れです。
先ほど紹介したように、この差し押さえは滞納した本人だけでなく他の共有者にも影響するため注意しましょう。
もしやむを得ない事情により固定資産税を納付できない場合は、どうすれば良いのでしょうか。
東京都の例ですが、災害や病気、倒産などの一定の条件を満たしている場合は、一定期間の猶予が認められることがあります。
また、生活保護を受けている方は、支払い自体が減免されることもあります。
これらに関しては自治体によって条件が変わってくるため、あらかじめ確認しておきましょう。
□弁護士に相談するメリットとは?
共有名義の不動産における固定資産税の支払いでは、トラブルが多く発生しています。
素人だけでは解決が難しいため、弁護士に依頼することをおすすめします。
では、弁護士に依頼するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここからは、よくあるトラブルの原因をご紹介します。
1つ目は、いろいろな管理費用が必要になることです。
固定資産税は、共有持分によって支払うことになります。
持分がある時点で、管理費用の支払いも必要になるでしょう。
これらにおいてはトラブルが起きやすいため、弁護士に相談した方が良いでしょう。
2つ目は、多額の損害賠償を請求される可能性があることです。
台風や地震によって共有名義の不動産が倒壊してしまい、それによって関係のない人を巻き込んでしまった場合、多額の賠償金が請求されます。
自然災害なので仕方ないですが、他の人に危害が加わってしまうと全てこちらの責任になってしまいます。
このような時も素人だけでは解決できないため、弁護士に相談するようにしましょう。
□まとめ
今回は、固定資産税の支払いについてご紹介しました。
これまで共有名義の不動産を所有しているにも関わらず、固定資産税を意識したことが無かった方も、この記事を読んでご理解いただけたと思います。
単独名義とは異なるため、しっかりと知識を付けておくことが大切です。
この記事を参考にしていただければ幸いです。