2020/10/09(金)
共有名義のマンションを所有している方へ!メリットとデメリットとは
共有名義のマンションを所有されている方はいらっしゃいませんか。
共有名義はメリットもありますが、デメリットもあることをご存じでしょうか。
これまであまり気にしていなかった方もいるかもしれませんが、気を付ける必要があることがあります。
そこで今回は、共有名義のメリットとデメリットをご紹介します。
□単独名義との違いとは?
マンションを所有する際には、単独名義と共有名義の2種類があることをご存じでしょうか。
簡単に申し上げると、マンションを所有するためにお金を払っている人が、1人なのか複数人なのかという違いがあります。
具体的には、どのような違いがあるのでしょうか。
*単独名義とは
土地や建物を所有するためにお金を払っている人が、1人だけいる状態のことです。
具体的に言うと、夫婦でも夫1人だけのお金でマンションを購入した場合、不動産登記には夫の名前のみが記載され夫だけが所有者となります。
単独名義の場合、名義人のことを所有者と言います。
*共有名義とは
土地やマンションを所有するためにお金を払っている人が、1人ではなく複数人いる状態のことです。
先ほどの例とは異なり、夫婦2人でお金を出し合ってマンションを購入した場合は、不動産登記には夫婦2人の名前が記載されます。
この場合は、お金を払っている人は所有者ではなく、共有者と呼ばれます。
このように共有名義と単独名義は異なっているため、その違いをしっかりと覚えておきましょう。
□メリットをご紹介!
共有名義のマンションを持つメリットを、3つご紹介します。
1つ目は、住宅ローン控除を二重に受けられることです。
マンションの購入を夫婦2人の共有で行う場合、税制上用意されている「住宅ローン控除」を2人分受けられます。
この控除は一定の条件を満たしていれば、マンションを購入した際、ローンの残高に応じて所得税が控除されるため非常に助かるでしょう。
共有名義で購入する方は、是非この制度を申請してみましょう。
2つ目は、売却益にかかる特別控除を人数分受けられることです。
不動産を売却して得た利益に対して発生する、所得税の負担を軽減するために設置された3000万円特例という制度をご存じでしょうか。
共有名義の場合は、この制度を共有者の人数分受けられるようになります。
制度の利用には一定の条件を満たしている必要がありますが、上手く利用できれば負担を大きく軽減できるでしょう。
3つ目は、収益不動産の公平性を確保できることです。
もし賃貸経営を営んでいた不動産を共有名義で相続した場合、それによって生じる利益を共有者間で平等に分配できます。
お金の分配によって発生する可能性があるトラブルを防げるのは、大きなメリットだと言えるでしょう。
不要なトラブルを避けたい方にとっては、嬉しい一面ですよね。
□デメリットをご紹介!
続いて、大きなデメリットを4つご紹介しましょう。
1つ目は、共有者が亡くなったら相続の対象になってしまうことです。
もし夫婦で共有名義の不動産を持っているケースで、夫婦のいずれかが亡くなってしまった場合、共有持分が相続の対象となってしまいます。
共有者が3人以上いる場合は、遺産分割協議によって財産の分割を決定するため、亡くなった方の共有持分を分割して相続することになります。
2人で共有している時と3人以上で共有している時では、対応が少し変わってくるため注意しましょう。
2つ目は、登記費用が2倍になることです。
単独名義の場合、登記費用は1人分で済みますが、共有名義になると共有者の人数分の登記費用が必要になってしまいます。
また住宅ローンの利用においても、諸費用は共有者の人数分必要になります。
住宅を所有するために必要な費用が単独名義と比べて高くなってしまうのは、大きなデメリットだと言えるでしょう。
3つ目は、共有者の許可なく売却できないことです。
共有名義では、持分の大小に関わらず、共有者全員が不動産の所有権を持っています。
そのため兄弟や夫婦であっても、不動産を売却する場合は共有者全員の合意が必要になります。
売却したいと思ったとしても、すぐには実行できず全員の合意を集める手間がかかってしまうことを押さえておきましょう。
4つ目は、離婚時にトラブルの原因になる可能性があることです。
共有不動産を所有していた夫婦が離婚してしまった場合、離婚後のトラブルの原因になりやすいと言われています。
どちらか一方の収入でローンを支払うのは困難になることが多く、名義において揉めてしまう方が多いです。
離婚するリスクもあるとしっかりと考慮した上で、共有名義にするかどうかを慎重に検討するようにすべきでしょう。
□まとめ
今回は、共有名義のメリットとデメリットについてご紹介しました。
単独名義との違いを知らなかった方も、この記事を読んでご理解いただけたと思います。
嬉しい一面がたくさんある一方で、気を付けなければいけない面もたくさんあります。
この記事を参考にして、不要なトラブルを避けられるようにしましょう。